アジングとサビキどっちが釣れる?釣果を伸ばす攻略法

アジングとサビキどっちが釣れる?釣果を伸ばす攻略法

アジングとサビキ、アジを釣る代表的な二つの方法ですが、一体どっちが釣れるのか、多くの方が疑問に思う点ではないでしょうか。

アジングを楽しんでいると、隣のサビキ釣りが入れ食い状態で、なぜか自分のルアーには見向きもされない、そんな経験はありませんか。

この記事では、アジングがサビキの横で釣れない理由を解き明かし、逆にサビキの横でもアジングで釣る方法を具体的に解説します。

さらに、アジングロッドでサビキは代用できるかといったタックルの疑問から、アジングとジグサビキはどっちが釣れるのかという仕掛けの使い分け、さらにはサビキにアジングワームを付ける有効性といった応用テクニックまで、幅広く掘り下げていきます。

アミエビを意識したワームカラーの選択や、状況に応じたタナと潮の見極め方など、あなたの釣果を一段階引き上げるための実践的な知識も満載です。

この記事を読めば、二つの釣り方の特性を深く理解し、状況に合わせて最適な戦略を立てられるようになるでしょう。

この記事を読むことで、以下の点について理解を深められます。

記事のポイント
  • アジングとサビキ釣りの根本的な違いとそれぞれの長所・短所
  • サビキ釣りの集魚力にアジングが負けてしまう科学的な理由
  • 不利な状況でもアジングで釣果を上げるための具体的な立ち回り
  • タックルや仕掛けを応用し、釣りの幅を広げるためのテクニック

アジングとサビキの基本と釣果の違い

アジングとサビキの基本と釣果の違い
釣り具POINT

このセクションでは、アジングとサビキ釣りの基本的な違いから、それぞれのメリット・デメリット、そして多くの人が気になる「釣れない理由」と「釣るための対策」について、深く掘り下げていきます。

  • サビキとアジングどっちがいいの?
  • アジが一番釣れる仕掛けは何か?
  • 釣果を左右するメリットとデメリット
  • アジングがサビキの横で釣れない理由
  • サビキの横でもアジングで釣る方法

サビキとアジングどっちがいいの?

「サビキ釣りとアジング、一体どちらを選べば良いのか」これは、アジ釣りを始めようとする方や、ステップアップを考えている方が最初に抱く疑問かもしれません。

この二つの釣り方は、同じアジを狙うものの、その性質は大きく異なります。

どちらが良いかは、あなたが釣りに何を求めるかによって答えが変わってきます。

結論から言うと、手軽にたくさんの魚を釣って楽しみたいのであればサビキ釣り、一匹の価値を追求し、ゲーム性を楽しみたいのであればアジングがおすすめです。

ここから詳しく解説していきます。

サビキ釣りは、カゴに入れたコマセ(アミエビなど)を撒いてアジの群れを寄せ、擬餌針が付いた仕掛けで釣る方法です。

最大の魅力は、初心者や子供でも簡単に数釣りが楽しめる手軽さにあります。

魚の群れさえいれば、難しいテクニックはほとんど必要なく、次々とアジが釣れる光景は非常に魅力的です。

ファミリーフィッシングにも最適で、釣りの楽しさを手軽に味わうにはこれ以上ない方法と考えられます。

一方、アジングは、ワームなどのルアー(疑似餌)を使ってアジを誘い、一匹ずつ狙って釣るゲーム性の高い釣りです。

荷物が少なく手軽に始められる反面、「コンッ」というアジの小さなアタリを感じ取り、的確にフッキングさせる技術が求められます。

釣果はサビキ釣りに劣ることも多いですが、自分の技術で一匹を釣り上げた時の喜びは格別です。

釣れるまでのプロセスや試行錯誤そのものを楽しみたい方には、アジングが向いていると言えます。

アジが一番釣れる仕掛けは何か?

釣果が変わるアジングとサビキの実践術
HYABUSA(HP)

アジの釣果、特に数を求めるのであれば、一番釣れる仕掛けは「サビキ仕掛け」であると言って間違いありません。

アジング愛好家としては少し悔しい気持ちもありますが、これは客観的な事実として認めざるを得ないでしょう。

なぜサビキ釣りが圧倒的に釣れるのか、その理由は主に二つあります。

第一に、コマセ(主にアミエビ)の圧倒的な集魚力です。

アミエビの強烈な匂いとエキスは広範囲に拡散し、回遊しているアジの群れを強力に引き寄せ、足止めする効果があります。

アジは嗅覚が優れているため、本物のエサの匂いには抗いがたい魅力があるのです。

ルアーにはない「匂い」という要素が、釣果に絶大な差を生み出します。

第二に、仕掛けの構造です。サビキ仕掛けは、一本の幹糸に複数の針(エダス)が付いています。

製品によっては6本から8本、あるいはそれ以上の針が付いているものも珍しくありません。

これにより、コマセに興奮して集まってきたアジの群れを効率的に釣り上げることができます。

活性が高い時には、全ての針にアジがかかる「鈴なり」状態になることもあり、一投で複数匹を釣り上げられる効率の良さは、針が一つしかないアジングとは比較になりません。

これらの理由から、単純に「アジをたくさん釣る」という目的を達成するためには、サビキ仕掛けが最も優れた方法であると考えられます。

釣果を左右するメリットとデメリット

アジングとサビキ釣り、どちらにも長所と短所が存在します。

それぞれのメリット・デメリットを理解することで、その日の状況や目的に合わせて最適な釣り方を選択でき、結果として釣果を向上させることが可能です。

特徴 アジング サビキ釣り
メリット ・荷物が少なく手軽
・ゲーム性が高く、一匹の価値が大きい・大型のアジを狙って釣りやすい
・エサを使わないため手が汚れにくい

・初心者でも簡単に釣れる
・圧倒的な数釣りが楽しめる
・コマセで魚を寄せられる
・ファミリーフィッシング向き

デメリット ・サビキに比べて釣果が安定しにくい
・ある程度の技術と経験が必要
・タックルにこだわり始めると費用がかかる
・コマセや水汲みバケツなど荷物が多い
・コマセで手が汚れ、匂いが付く
・釣り場の清掃が必要になることがある
・ゲーム性はアジングに劣る

このように、アジングのメリットは、その手軽さとゲーム性の高さにあります。

タックルをコンパクトにまとめられ、電車釣行などにも向いています。

また、一匹との駆け引きを楽しむことができ、釣れた時の満足感は非常に高いものがあります。

対照的に、サビキ釣りは「手軽に、たくさん釣れる」ことが最大のメリットです。

釣りの経験が少ない人でも釣果を得やすく、釣りの楽しさを知る入門として最適と言えます。

一方で、アジングは釣果が状況に左右されやすく、サビキ釣りのようには釣れないことも多いのがデメリットです。

対するサビキ釣りは、準備や後片付けに手間がかかる点がデメリットとして挙げられます。

コマセの準備や、使った道具の洗浄、釣り場の清掃など、アジングに比べるとやや手間がかかることは否めません。

これらの特性を理解し、その日の気分やメンバー、目的に合わせて釣り方を選ぶことが、アジ釣り全体をより楽しむための鍵となります。

アジングがサビキの横で釣れない理由

アジングを楽しんでいる時に、すぐ隣のサビキ釣り師が入れ食い状態なのに、自分のワームには全くアタリがない。

これは「アジングあるある」の一つで、多くの人が経験する悔しい状況です。

なぜこのようなことが起こるのか、その理由はアジの捕食行動とサビキ釣りの特性にあります。

最大の理由は、サビキ釣りが使う「コマセ(アミエビ)」の圧倒的な効果です。

アミエビは、アジにとって大好物である本物のエサです。

海中に撒かれると、その匂いと味が広範囲に拡散します。

アジは非常に優れた嗅覚と味覚を持っており、この本物のエサの誘惑には逆らえません。

結果として、周辺にいるアジの意識は完全にコマセへと集中してしまいます。

このような状況では、アジはコマセを食べることに夢中になり、一種の興奮状態、いわば「食事モード」に入ります。

その中で、匂いも味もしないプラスチックやゴムでできたワーム(ルアー)は、アジにとって偽物であることがすぐに見破られてしまうのです。

人間で例えるなら、美味しそうな匂いを漂わせる焼肉定食の横に、精巧にできた食品サンプルが置いてあるようなものです。

本物を前にして、わざわざ偽物を食べようとは思わないでしょう。

さらに、サビキ釣りの仕掛け自体も、アジの捕食スイッチを入れる要素を持っています。

キラキラと光るスキンや魚の皮を模した装飾は、コマセの煙幕の中で小魚が群れているように見え、アジの視覚を強く刺激します。

以上のことから、本物のエサ(味と匂い)と、それを模した効果的な仕掛け(視覚)という二重の強力なアピールを持つサビキ釣りに対して、ルアー単体で挑むアジングは、どうしても不利な戦いを強いられることになるのです。

サビキの横でもアジングで釣る方法

サビキ釣りの横でアジングをするのは不利だと分かっていても、釣り場の状況によっては、そうせざるを得ない場合もあります。

しかし、絶望する必要はありません。

いくつかのコツを押さえることで、サビキに夢中なアジをアジングで釣り上げることは十分に可能です。

私の経験上、それでも釣れない時もあります。

そんなときは潔く移動を考えましょう。

潮下にポジションを取る

これが最も重要なポイントです。

サビキ師が撒いたコマセは、潮の流れに乗って拡散していきます。

アジの群れも、そのコマセの流れに沿って集まってきます。

したがって、サビキ師の「潮下」、つまり潮が流れていく方向の隣に釣り座を構えることが絶対条件です。潮下に立つことで、コマセの匂いが漂ってくるエリア、いわば「おこぼれ」にあずかろうとするアジを直接狙うことができます。

逆に潮上に立ってしまうと、自分のルアーがある場所にはコマセが全く流れてこないため、釣れる可能性は限りなく低くなります。

コマセの流れに同調させる

潮下にポジションを取ったら、次は自分のリグをコマセの流れに「同調」させることを意識します。

サビキ師が撒いたコマセがどのように水中を漂い、沈んでいくかをイメージしてください。

そして、その流れに乗せるように、自分のジグヘッドリグを操作するのです。

具体的には、潮上にキャストし、リグが自分の正面を通過して潮下へ流れていくように仕掛けをコントロールします。

この時、リールを巻いてルアーを動かすのではなく、ラインを張りすぎず緩めすぎずの状態を保ち、潮の流れだけで自然に漂わせるのがコツです。

アクションを加えるとしても、時折チョンと軽く竿先を動かしてリグを少しだけ浮かせ、再びフォール(沈下)させる程度に留めましょう。

縦の動き(フォール)と横の動き(ドリフト)を組み合わせ、立体的に探るイメージです。

ラインの変化でアタリを取る

コマセに夢中になっているアジのアタリは、非常に小さいことが多いです。

「コンッ」という明確なアタリが手元に伝わることは少なく、ラインの動きで判断する必要があります。

日中の釣りであれば、水面から水中へ入っていくラインをよく観察しましょう。

リグを漂わせている最中に、ラインが「フッ」と軽くなったり、逆に「スッ」と不自然に張ったり、横に走ったりすることがあります。

これがアジがワームを咥えたサインです。

手元に感覚がなくても、ラインに少しでも違和感があれば、即座にアワセを入れることが釣果に繋がります。

この微細なアタリを捉えることこそ、この状況下でのアジングの醍醐味と言えるかもしれません。

釣果が変わるアジングとサビキの実践術

釣果が変わるアジングとサビキの実践術

ここからは、より実践的なテクニックに焦点を当てます。

タックルの応用方法から、状況に応じた仕掛けの選択、そして釣果をさらに伸ばすための具体的なコツまで、幅広く解説していきます。

  • アジングロッドでサビキは代用できるか
  • アジングとジグサビキはどっちが釣れる?
  • サビキにアジングワームを付ける有効性
  • 釣果に直結するポジション取りの重要性
  • アミエビを意識したワームカラーの選択
  • 状況に応じたタナと潮の見極め方

アジングロッドでサビキは代用できるか

「手持ちのアジングロッドでサビキ釣りも楽しめないだろうか」と考える方は少なくないでしょう。

どうしてもアジを釣って帰りたいという方は、釣れない時の為にサビキも用意しておきたいという人もいると思います。

結論から言うと、アジングロッドでサビキ釣りをすることは可能です。

ただし、メリットとデメリットの両方を理解した上で使用することが大切です。

アジングロッドを使うメリット

最大のメリットは、その感度の高さです。アジングロッドは、アジの微細なアタリを捉えるために非常に繊細に作られています。

そのため、サビキ仕掛けにアジが触れたり、咥えたりする小さな変化も手元に伝わりやすく、釣りの臨場感をより一層楽しむことができます。

また、軽量で操作性に優れているため、長時間の釣りでも疲れにくいという利点もあります。

デメリットと注意点

一方で、デメリットも存在します。アジングロッドは、本来軽いルアーを扱うために設計されているため、サビキ釣りで使うような重いカゴやオモリを背負うことには向いていません。

適合ルアーウェイトを超える重い仕掛けを無理にキャストすると、ロッドが破損する原因になりかねません。

使用する際は、ロッドに表記されている適合ウェイトの範囲内に収まる、軽いオモリやプラスチック製のカゴを選ぶ必要があります。

また、ロッドの長さも問題になることがあります。

一般的なサビキ竿が3メートル以上あるのに対し、アジングロッドは2メートル前後のものが主流です。市販のサビキ仕掛けは長いものが多く、

短いアジングロッドでは扱いにくく、仕掛けが絡まるトラブルも増えがちです。対策として、全長が短いショートタイプのサビキ仕掛けを選んだり、長い仕掛けを半分にカットして使うなどの工夫が求められます。

アジングロッドでサビキ釣りを行う際は、これらの注意点を守り、ロッドに過度な負担をかけないように心がけることで、一つのタックルで二つの釣りを楽しむことが可能になります。

アジングとジグサビキはどっちが釣れる?

アジングとジグサビキ、どちらもルアーフィッシングの範疇に入りますが、その特性と有効なシチュエーションは異なります。

どちらが釣れるかは、その日のアジの活性や、狙うポイントの状況によって変わるため、一概には言えません。重要なのは、それぞれの特徴を理解し、適切に使い分けることです。

アジング(ジグヘッド単体リグ)は、ごく軽量なジグヘッドとワームを使い、繊細な誘いでアジに口を使わせる釣り方です。

その最大の強みは、低活性時やスレたアジにも対応できる「食わせの能力」の高さにあります。

軽いリグをゆっくりと漂わせることで、アジに違和感を与えにくく、思わず口を使わせてしまうことができます。

近距離戦や、アジが特定のレンジに固まっている状況で、ピンスポットを丁寧に攻めるのに向いています。

一方、ジグサビキは、メタルジグの下(または上)にサビキ仕掛けを接続したものです。

メタルジグの重さを利用して遠投できるため、アジングでは届かないような沖のポイントを広範囲に探れるのが最大の武器です。

また、メタルジグのキラキラとしたフラッシング効果と、サビキ針のアピール力が組み合わさることで、高活性なアジに対して非常に有効です。

特に朝夕のマズメ時など、アジの群れが広範囲に散ってベイトを追い回しているような状況では、手返し良く探れるジグサビキに軍配が上がることが多いでしょう。

要するに、活性が低く、繊細なアプローチが必要な場面ではアジング、広範囲を効率よく探りたい、あるいは高活性な群れを狙う場面ではジグサビキ、という使い分けが基本戦略となります。

サビキにアジングワームを付ける有効性

サビキ仕掛けの針に、アジングで使うワームを小さく切って付ける。

これは、時に驚くほどの効果を発揮する裏技的なテクニックです。

特に、サビキ釣りをしている中でアタリが遠のいた時や、周りは釣れているのに自分の仕掛けにだけ食ってこない、といった状況で試す価値があります。

その有効性の理由は、アピール力の追加にあります。

通常のサビキ針は、魚の皮やビニール片(スキン)で装飾されていますが、ここにワームという「立体的」で「動き」と「柔らかさ」のある要素を加えることで、アジに対するアピールが格段に向上します。

ワームの持つ微細な波動や、水中で漂う生命感あふれる動きは、スレたアジの食い気を刺激するのです。

また、ジグサビキにおいてもこの方法は有効です。

使い古して装飾がボロボロになったサビキ針にワームを装着すれば、アピール力が復活し、仕掛けを長く使い続けることができます。

付け方としては、1.5インチから2インチ程度のアジングワームを、5mmほどの長さにハサミでカットし、それをサビキ針にチョンと刺すだけです。

全ての針に付ける必要はなく、2~3本おきに付けるだけでも効果はあります。

カラーは、コマセのアミエビに近いピンク系や赤系、あるいはアジの反応が良いクリア系やグロー(夜光)系などを試してみると良いでしょう。

エサ釣りとルアー釣りのハイブリッドとも言えるこの方法は、サビキ釣りの集魚力と、ワームの食わせ能力を融合させた、非常に合理的なテクニックと言えます。

釣果に直結するポジション取りの重要性

釣果はテクニックやタックルだけで決まるものではありません。

特にアジ釣りのような回遊魚を狙う釣りでは、「どこで竿を出すか」というポジション取り、すなわち釣り座の選択が、釣果を大きく左右する最も重要な要素の一つとなります。

前述の通り、サビキ釣りの横でアジングを行う場合は、「潮下」に立つことが絶対条件です。

これは、サビキ師が作り出すコマセの帯が潮に乗って流れてくるため、その流れの延長線上で待ち構えるのが最も効率的だからです。

アジはコマセの匂いを頼りに集まってくるため、その通り道でルアーを流すことができれば、アジと遭遇する確率が格段に高まります。

これはサビキ釣りをしている人がいない場合でも同様です。

堤防の先端や、潮の流れがぶつかるヨレ、払い出す流れなど、潮通しの良い場所には、アジのエサとなるプランクトンや小魚が集まりやすくなります。

結果として、アジの回遊ルートになっていることが多いのです。

漠然と空いている場所で竿を出すのではなく、まず海面をよく観察し、潮の流れがどうなっているか、どこに流れの変化があるかを見極めることが大切です。

釣り場に到着したら、すぐに仕掛けを投入するのではなく、まずは軽いジグヘッドなどをキャストして、潮がどちらの方向に、どれくらいの速さで流れているかを確認する癖をつけると良いでしょう。

その上で、最も有利だと思われる場所に釣り座を構える。この一手間が、その日の釣果を大きく変えることに繋がります。

アミエビを意識したワームカラーの選択

アジングで使用するワームのカラーは無数にありますが、サビキ釣りが優勢な状況や、日中の釣りでアジがアミエビを偏食している場面では、ワームのカラーを「アミエビに寄せる」という考え方が非常に有効になります。

なぜなら、アジがコマセのアミエビに夢中になっている時、彼らの意識は「赤やピンクの小さなエサ」に集中しているからです。

その中で、全く異なる色のワームを流しても、違和感を持たれてしまい、見切られる可能性が高くなります。

逆に、アミエビの色にそっくりなワームであれば、アジはそれをアミエビの塊と誤認し、疑うことなく口を使ってくれるのです。

具体的に有効なカラーとしては、以下のようなものが挙げられます。

クリア系のピンクやレッド
透明感のあるピンクや赤は、水中で光に透けたアミエビの色に非常に近くなります。
最もナチュラルにアピールできる基本カラーです。

ソリッド系のピンク
水が濁っている時や、よりアピールを強くしたい時に有効です。
シルエットがはっきりと出るため、アジに見つけてもらいやすくなります。

ラメ入りのカラー
レッドやオレンジ系のラメが入ったワームも効果的です。

ラメのキラキラとした反射が、アミエビの目を模倣したり、プランクトンの集合体に見えたりすることで、アジの食性に訴えかけます。

もちろん、これは一つのセオリーであり、日によってはクリア系やグロー系が当たることもあります。

しかし、サビキの横で釣るという特定の状況下においては、「いかにアミエビに化けさせるか」という視点でのカラーセレクトが、釣果への一番の近道となるでしょう。

状況に応じたタナと潮の見極め方

アジは常に同じ水深にいるわけではなく、時間帯や潮の状況によって、泳いでいる層(タナ)を刻々と変化させます。

この「アジのいるタナ」をいかに早く見つけ出し、的確に攻められるかが、アジングの釣果を安定させるための鍵となります。

タナの探し方として最も基本的なのが、「カウントダウン」です。

ジグヘッドをキャストして着水したら、心の中で「1、2、3…」と数を数え始めます。

例えば、10秒数えてからリールを巻き始め、アタリがなければ次は15秒、その次は20秒と、徐々に沈める時間を長くしていくことで、どの水深でアジが反応するのかを探っていきます。

アタリがあったカウント数を覚えておけば、効率よくアジのいる層を攻め続けることができます。

周りにサビキ釣りの人がいたら、どの辺の針に掛かっているのか確認するのも一つの方法。

また、潮の動きを見極めることも不可欠です。

アジをはじめとする多くの魚は、潮が動いている時に活発にエサを探し回ります。特に、満潮や干潮の前後で潮が最も速く動く時間帯や、潮が止まっていた状態から動き出す「潮の変わり目」は、絶好のチャンスタイムとなります。

釣り場の潮の流れを把握するには、海面のゴミや泡の動き、あるいはウキを使っている釣り人のウキの流れ方などを観察するのが有効です。

潮の流れが速い時は、ジグヘッドを少し重くしないと狙ったタナまで沈められませんし、逆に流れが緩い時は、軽いジグヘッドでゆっくりと見せるように誘うのが効果的です。

このように、タナと潮という二つの要素を常に意識し、状況に合わせて自分の釣りをアジャストしていく。この試行錯誤のプロセスこそが、アジングの難しさであり、同時に大きな面白さでもあるのです。

アジングとサビキを理解し釣果を伸ばす

この記事を通して、アジングとサビキ釣りの様々な側面を解説してきました。

二つの釣り方を深く理解し、それぞれの長所と短所を把握することで、あなたの釣果は飛躍的に向上するはずです。

  • 数釣りならサビキ、ゲーム性ならアジングが基本
  • サビキが釣れる理由はコマセの集魚力と針の数にある
  • アジングがサビキの横で釣れないのは本物のエサに負けるから
  • 不利な状況でも潮下に立ち、コマセに同調させればアジングでも釣れる
  • アジングロッドでのサビキ釣りは可能だがロッドへの負担に注意が必要
  • アジングロッドの感度の良さはサビキ釣りでもメリットになる
  • 短いアジングロッドで長いサビキ仕掛けを扱うには工夫が求められる
  • 広範囲を探るならジグサビキ、繊細に誘うならアジングと使い分ける
  • サビキ針にワームを付けるとアピール力が向上し釣果に繋がることがある
  • 釣り座、つまりポジション取りが釣果を大きく左右する
  • 潮の流れを読み、有利なポイントを見つける観察眼を養う
  • アミエビを偏食しているアジにはピンクや赤系のワームが有効
  • アジのいるタナはカウントダウンで効率的に探す
  • 潮の動きはアジの活性に直結するため常に意識する
  • 二つの釣り方を敵対視するのではなく、それぞれの特性を活かすことが重要

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